「つくりたいを叶える」をコンセプトに高品質な革をイタリアから直輸入し、一枚から販売を行う革材料店「KAWAMURA LEATHER」。
A4サイズから革を購入できたり、ワークスペースが開放されていたりと、革製品のクラフターをサポートするための事業を行っています。
今回は、「KAWAMURA LEATHER」のディレクターである吉川 勝慈さんに、インタビューの機会を頂戴しました。
- 「KAWAMURA LEATHER」ディレクター、革の仕入れを担当
- 「川村通商株式会社」の創業100年以上革に携わる実績から、通常の卸売業者では買付けができないタンナーと強固なリレーションを持っているため、最高品質の希少な革を取り揃える
- ワークスペースの運営やイベント開催など、プロだけでなく全てのモノづくりをしたい人のサポートを行う
革のものづくりに携わる方・ご興味のある方必見のインタビューレポートです。
ぜひ最後までご覧ください。
「KAWAMURA LEATHER」はどんな革を販売しているの?魅力をご紹介
「KAWAMURA LEATHER」は、メイン商品としてイタリア製の植物タンニン鞣しの革を扱っています。
触れると温かみが感じられ、経年変化も楽しめる、味わいのある革がカラーバリエーション豊富に揃っています。
表面的な素材の仕上がりだけでなく、工場の取り組みや品質の安定性、使われる薬品が自然に優しいことなど、素材が作られる背景にも着目して厳選されています。
「レザークラフトを始めたい」もしくは「始めたばかり」という初心者の方はもちろん、プロの方も安心して「品質の高い革」を購入できるため、多くのファンに愛されています。
高品質のイタリアンレザーが、手に取りやすいA4サイズから購入できるありがたいサービスは、ショップ側にとってもメリットがあるのだそう。
購入者 | 革を一枚丸ごと買うと価格が高くなるが、A4サイズ〜だと 良い革をお手頃な価格で買える |
ショップ | 天然素材のため傷がついている革もあるが、状態の良い部分だけをカット販売することでロスが減らせる |
両者にとってメリットがあり、ロスも減らせて、SDGsにかなった販売方法ですね。
インスタグラム(2023年11月時点でのフォロワー1.4万人)のライブ配信では、革の紹介やイベント情報など、最新情報が発信されています。
楽しみながら視聴するだけで革の知識もたくさん身に付くので、レザーファンの方は見逃さないようフォローしておきましょう!
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「KAWAMURA LEATHER」オープンの経緯や独自の取り組み
「KAWAMURA LEATHER」は、創業100年を超える皮革卸会社「川村通商株式会社」が運営するショップです。
立ち上げのきっかけは、某人気バッグブランドの創業者から聞いた「駆け出しの頃はタンナーにも革問屋にも相手にしてもらえず、良い革を調達することに苦労した」というエピソードでした。
「つくりたいを叶える」をコンセプトに、個人のクラフターでも 良い革を少量からでも手に入れられるショップを、2018年にオープンしました。
100年以上 皮革に携わってきた経験や知識を元に、卸でのみ流通していた一般の方では手に入りづらかった品質の高い革を扱っています。
東京・蔵前の店舗では、購入者が無料で利用できる革用ミシンや裁断機・漉き機などが設置されたワークスペースも併設されています。
定番革としてしっかり在庫を積んでいることもあり、多くの個人事業主や工房で「KAWAMURA LEATHER」の革は愛用されているため、アイテムの色が被らないように色展開も豊富に取り扱っています。
イタリアのタンナーを招いた「トークセッション」や、イタリアのタンナーが審査員を務める「KLレザーコンテスト」など、「日本の作り手さんとイタリアのタンナーをつなぐ」という思いで、直輸入だからこそできるイベントも開催されています。
きめ細かな心配りで、多面的に手厚いサポートをしてくれる、クラフターの頼もしい味方が「KAWAMURA LATHER」です。
- 住所:〒111-0043 東京都台東区駒形 2-2-10 1F
- TEL:03-6841-0038
- Email:kawamura.leather@kawamura-net.co.jp
- Official site
「KAWAMURA LEATHER」で人気のおすすめ商品をご紹介
スムースの「ブルガロ」や、シボのある「ネブラスカ」など、「KAWAMURA LEATHER」が主軸商品として扱っているのが「コンチェリア・ロ・スティバーレ」というイタリアのタンナーの革です。
イタリア植物タンニン鞣し革協会にも所属しているタンナーで、その革のほとんどがヨーロッパ内で流通しているため、アジアにはほとんど輸出されていません。
イタリアの国民性もあり、色ブレや個体差を「天然素材だから仕方がない」で片付けてしまうタンナーも多い中、「コンチェリア・ロ・スティバーレ」は品質の安定性を重視した真摯な革づくりをしています。
天然由来の材料を使うことに強いこだわりを持って、トスカーナの伝統技法であるバケッタ製法で革を製造しています。
「ヴィルジリオ・コンチェリア・アルティジャーナ」のピット槽鞣しで作られている「リネア・ヴァスカ」という革も2023年から取り扱いを開始しました。
オーナーのシモーネさんが「古き良き革鞣しを復活させたい」という志を持ち、効率の面からドラム鞣しが主流となっている中、自分でピット鞣しの設備を作り、製品の革として少しずつ量産しています。
「リネア・ヴァスカ」は誰が見ても革らしい革と思える魅力を持ち、ピット槽鞣しならではのコシのあるモッチリとした質感が特徴です。
夏は暑く冬は寒い中で行われる過酷な肉体労働である革鞣しは「志がないと続けていける仕事じゃない」と、現地を見て実感される吉川さん。
革そのものの品質のみならず、イタリアのタンナーの思いや背景を含めて、素晴らしい革を仕入れています。
\「KAWAMURA LEATHER」革の販売/
初心者必見!レザークラフターが知っておくべきこと
①鵜呑みにしないこと
②信頼できる革屋を見つけること
①鵜呑みにしないこと
「革」という素材の良し悪しを判断する指標は「柔らかい」「ツヤがある」など数値で表せないものがほとんどです。
また皮革業界では口伝で伝えられてきた技術が多く、西と東で言葉が違うこともあるのだそう。
「特定の革屋さんの言うことだけを鵜呑みにせず、色んな業界の人から情報を得て自分なりのしっくりくることを見つけると言うのが僕にとっても面白いと思うところ」だと吉川さんが教えてくださいました。
②信頼できる革屋を見つけること
「この革屋の○○さんは信用できる」と思える革屋さんに出会えることが、レザークラフトに打ち込める土台になります。
革は天然素材で個体差があり、どの革屋で買ったとしても「いつも満点の品質のものが手に入る」という訳にはいかないものです。
革になる前の動物が生きていた頃のシワや傷などは必ずあるため、状態の良くない部分があることも受け入れてこそ皮革業界は成り立ちます。
1度で判断するのではなく、2〜3度同じ革屋で購入してみて、平均的な満足度が高ければ信頼できる革屋だと言えるでしょう。
信頼できる革屋を見つけられていない方は、「KAWAMURA LEATHER」のインスタグラムを要チェック。
「KAWAMURA LEATHER」のスタッフさんもそれぞれ情報発信されていて、個別に相談にも対応していただけます。
ぜひ信頼できるスタッフさんを見つけてくださいね。
「KAWAMURA LEATHER」まとめ:「つくりたい」を叶える革材料店
最高品質の革の販売や、ワークスペースの開放やイベント開催など、幅広くクラフター支援を行う「KAWAMURA LEATHER」。
利用者の使わなくなった道具や材料を預かって、使いたい人へ譲る無料サービスもあり、そこで作家同士の小さなつながりができることもあるそうです。
今後ますますクラフターの独立支援に力を入れていくため、現在新たなワークスペースも準備中とのこと。
今までレザークラフトに興味があったけどやっていなかったという方も、ぜひこの機会に「KAWAMURA LEATHER」をチェックして、何か一つ作ってみることからチャレンジしてみませんか?
お忙しい中貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
\初心者もプロも「つくりたい」を叶える革材料店/