100年以上変わらない製法で靴クリームを作り続ける、1910年創業の谷口化学工業所。
「一流は足元から」。靴のお手入れは大人の嗜みとも言われます。
今回は「株式会社谷口化学工業所」の代表取締役社長である 谷口 弘武様に、インタビューの機会を頂戴しました。
- 「株式会社谷口化学工業所」代表取締役社長
- 1910年 創業
- 1948年 東京都台東区に営業所・工場新設
- 1996年 東京都墨田区に新本社・工場併設ビル完成
- 2018年 本格派シューケアシリーズ「エクセレント」販売開始
- 2020年 環境に配慮した「自然から作ったシリーズ」販売開始
「磨く、ととのう。」というキャッチコピーとともに、レザーケアの魅力を教えていただいたインタビューレポートです。
ぜひ最後までご覧ください。
ライオン靴クリーム本舗はどんなメーカー?
「ライオン靴クリーム本舗」には、レザーケアに必要なアイテムがすべて揃っています。
適切なレザーケアを行うことで、革製品は半永久的に使うことができます。
イタリアでは、おじいちゃんの靴をお孫さんが形見にすることもあるのだそう。
大切にメンテナンスされてきた靴のアッパーを受け継ぎ、すり減った靴底を張り替えて、何十年間も履き続けられるなんて素敵ですよね。
レザーを磨くことは、自分を磨くことにつながる。
身だしなみを整えることは、心を整えることにつながる。
そんな想いが、「磨く、ととのう。」というキャッチコピーに込められています。
靴磨きは「靴磨き世界選手権大会」が開催されるほどの奥深いものです。
大手航空会社なども大会のスポンサーに名を連ね、2023年度の大会では64名の出場者が技を競っています。
靴磨きの愛好家が魅せる「鏡面磨き」の技術は、見惚れてしまうほどの美しさです。
\Instagramで靴磨きの奥深さを見てみる/
谷口化学工業所はどんな会社?歴史あるものづくり
江戸時代から、東京・浅草は商売の町として栄えていました。
「喧嘩と火事は江戸の華」。
木造建築しかない町ではすぐに火事が広がってしまいます。
火事で製造が止まってしまうと、経済が止まってしまうため、製造拠点は浅草の川向こうの墨田区に移されました。
製造は墨田区、販売は浅草という棲み分けが出来上がり、墨田区のものづくりは発展していきました。
そんな墨田区で、100年以上靴クリームを製造し続けているのが「谷口化学工業所」です。
1910年の創業当初から、機械充填ではなく、手作業でのものづくりを行っています。
手作業ならではの品質、不良品度合いの低さ、ラベルの向きの揃い具合。
OEMも小ロットから対応できるため、多くの革靴やジャケット・革小物ブランドなどの特注品を作っています。
職人の手で一つ一つ、原料を溶かし、容器に入れ、固めて、ラベルを貼るところまで。
お客様のために細部にまでこだわったものづくりが受け継がれています。
- 住所:〒130-0005 東京都墨田区東駒形4-14-2
- TEL:03-5611-7351
- FAX:03-3622-5901
- Official Website:https://www.taniguchi-kagaku.com/
人気の「エクセレントシリーズ」「自然から作ったシリーズ」を紹介!
靴のケアに特化したアイテムが桐箱に収められた「エクセレントシューケアボックス」。
父の日や記念日、異動の際の送別会のプレゼントなど、様々なシーンでの贈答用にも最適です。
原料の油脂には、墨田区で作られた椿オイルを使用されています。
抗酸化作用が強いため、オイル独特の匂いが生じにくく、浸透性が高いメリットがあります。
「ライオン靴クリーム本舗」の商品はもともと靴クリーム特有の匂いがないことも特徴ですが、
2024年初頭には日本を象徴する「桜の香り」の靴クリームにリニューアルされる予定だというのも楽しみですね。
「自然から作ったケアセット」は、自然由来のレザーケアアイテムです。
レザーケア自体がサステナブルな行為である中、ケアアイテムも含めてもっと自然や動物に配慮した製品づくりをしたいとの想いから、開発されたシリーズです。
油脂には環境保全の目的からエゾシカ油を、香りには自然由来のブレンド精油を使用されています。
エゾシカ油は、鳥獣被害から駆除して捨てられるだけだったエゾシカの資源を最大限有効活用するため、原料に取り入れられました。
精油は檜の香りをベースに、レモンやジンジャー、さらにはクローブというエスニックでスパイシーな香りもブレンドされています。
クローブの日本名は「チョウジ油」といい、日本刀のサビ防止のケアにも使われていたオイルです。
日本の歴史も感じられる、深みのある香りを楽しみながら、レザーケアをすることができます。
\大切な人に喜んでもらえる特別な贈り物に/
レザーケアアイテムの種類と特徴・使い方
レザーケアアイテムは色んな種類があって、どれを買えばいいか分からないと思ったことはありませんか?
実は革のお手入れは、全てにおいてこの3つに収束するのだそうです。
クリーナー | 人のスキンケアで例えると、メイク落とし。 前回のお手入れ時の靴クリームの残留分や、表面についた汚れを落とすために使う。 |
クリーム | 人のスキンケアで例えると、化粧水。 革の乾燥を防いで、水分と油分を補給するために使う。 |
ワックス | 人のスキンケアで例えると、ファンデーション。 革に栄養を与えるというものではなく、ツヤ感を出すために使う。 |
そして靴クリームの原料は「水・油脂・有機溶剤・ロウ」の4つの成分で構成されています。
水・油脂 | 栄養分として、革に浸透する。 |
有機溶剤 | 空気に触れると気化する。 |
ロウ | 乾拭きすることでツヤを出す。 |
水と油脂は浸透し、有機溶剤は気化し、表面に残るのは「ロウ」のみ。
このロウを乾拭きするからツヤが出るという仕組みです。
クリームをたくさん塗ってしまうと、浸透や気化に時間がかかってしまうため、少量を足しながら磨いていきましょう。
ブラシの使い分け方法も教えていただきました。
馬毛ブラシ | 毛が柔らかい | コバやステッチなど細かな箇所の汚れをかき出す。 |
豚毛ブラシ | 毛が硬い | ブラシにクリームを取り、全体にまんべんなく伸ばす。 |
まず馬の毛のブラシで、靴の汚れを落とします。
次にクリームを塗りますが、布を使うとクリームが布に染み込んでしまうので、豚の毛のブラシを使いましょう。
豚の毛は硬いので、硬いブラシで伸ばすことであったまって浸透が早くなります。
最後に、布を使って乾拭きをして磨いていくことで、ツヤが出てきれいに仕上がります。
「ライオン靴クリーム本舗」まとめ:「磨く、ととのう。」レザーケアアイテム
こだわり抜かれた原料で、職人の手作業で大切に作られる靴クリームをご紹介しました。
「ライオン靴クリーム本舗」のアイテムは、ハンズやロフトの大型店舗の他、オンラインショップでも購入でき、
東京都・墨田区のふるさと納税の返礼品としても人気です。
想いを込めて作られたレザーケアアイテムで、靴と心を磨くひとときを、ぜひ習慣にしてみませんか?
忙しい毎日の中で、心を落ち着けたい時や、明日の大事な商談に向けて気持ちを切り替えたい時。
そんな時に、心を整える方法として、レザーケアを取り入れてもらえたら嬉しいと語ってくださった谷口様。
お忙しい中貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
\一生物のレザーアイテム/