製造から販売まで一貫して行う本革バッグメーカーの「大関鞄工房」。
数千種類から好きな革素材を選べる子供向けのバッグ作り体験をはじめ、他社にはない独自の取り組みが魅力です。
今回は「株式会社大関鞄工房」の代表取締役社長である 大関 敏幸様に、インタビューの機会を頂戴しました。
- 「株式会社大関鞄工房」代表
- 1963年 創業
- 2004年 オリジナルブランド「Squeeze」設立
- 皮革製品を中心とした袋物の企画・製造、及び販売を行う
- 工房見学付きのバッグ作りワークショップを開催
ものづくりの裏側や、バッグ作り体験に興味のある方必見のインタビューレポートです。
ぜひ最後までご覧ください。
大関鞄工房オリジナルブランド「Squeeze(スクィーズ)」に込められた想いは?
大関鞄工房のオリジナルブランド「Squeeze」は、英語で「搾りこむ、搾り出す」という意味があります。
ブランドに携わる人の知恵や心意気、人間観など、すべてを搾り出して良いものを作っていきたいという想いが込められています。
消費者に滅多に知られることがないものづくりの実態として「職人の工賃の問題」「革の廃棄分の価格の上乗せ」があります。
「職人の工賃の問題」とは、人件費削減のための海外生産が増えた結果、価格競争にさらされ、日本製の商品の場合も必然的に職人の工賃が削られてしまうことです。
メイドインジャパンの技を守っていくためには、高い技術に見合った工賃を確保することが欠かせません。
「革の廃棄分の価格の上乗せ」とは、動物が生きていた頃の傷が残っている部位や柔らかすぎる部位など、本革という素材の特性上どうしても廃棄になってしまう部分の材料費も、商品代に乗せられているのが一般的であるということです。
「Squeeze」ではこれらの問題を解決して、本当の意味での「適正価格」を実現するため、製造から販売まで一貫して行っています。
一貫体制により、不本意な価格競争にさらされることなく、”メイドインジャパン”を受け継ぐ職人たちを守ることを実現しています。
バッグの材料に使えない革の廃棄部分は、革小物などの材料として最大限活用することで、価格を上乗せする必要を無くしています。
知恵が絞られた結果、「Squeeze」は「適正価格」で「本当に良いもの」を作ることを実現しているのです。
\ものづくりへの想いをもっと見る/
大関鞄工房はどんな会社?
大関鞄工房は、1963年創業の本革バッグメーカーです。
本革をメインとしたバッグや革小物のOEMと、オリジナルブランド「Squeeze」を運営しています。
消費者には一見わからないような内部の強度や、機能性、軽さと堅牢性の両立といった「見えない部分」へのこだわりが大きな魅力です。
東京・墨田区に工房ショップでは、豊富なラインナップの商品だけでなく、製造工程を見学することもできます。
オンラインではCreemaやminnneからも、オリジナル商品を手に取ることが可能ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
- 住所:〒130-0021 東京都墨田区緑2-13-5
- TEL:03-5669-1408
- FAX:03-5669-1409
- Official Website:https://squeeze.ne.jp/
人気の「ファーストバッグ」を紹介!本革オリジナルバッグ作りを体験できる
「ファーストバッグ」は、「子供が初めて大人と同じような本革のバッグを持つ」というコンセプトのもと、スタートされたもの。
数千種類の組み合わせの中から好きな素材を選び、ハンマーを使い、カシメという金具で革を組み立てて本格的なバッグを作ることができます。
工房でワークショップが開催されている他、キットも販売されており、自宅でYoutubeの作り方動画を見て作ることもできます。
子供向けワークショップ | 子供とおでかけ情報「いこーよ」【Squeeze】 |
大人向けワークショップ | 国内の観光スポット・イベント情報じゃらんnet【大関鞄工房】 |
子供向けキット販売 | 子供とおでかけ情報「いこーよ」【Squeeze】 |
子供・大人向けバッグ販売 | オンラインストア「STYLE STORE」【大関鞄工房】 |
ファーストバッグ作りを通して、生き物の中で食べて残ったものからできた革から、自分で選び、バッグに仕立てて大切に使う体験をすることができます。
永久保証も付いており、革が擦れて傷ついたパーツは取り替えて使い続けることができます。
「世界に一つだけ」というだけでなく、いつまでも使える愛着の持てるバッグとして販売されているのです。
\世界に一つの大切なバッグを作る体験/
レザーバッグのメンテナンス方法と修理について
レザーバッグは必要なメンテナンスを行うことで、長く愛用することができます。
革は湿気や水が苦手なので、2〜3ヶ月に一度は革のオイル(Squeezeで使われているのはドイツ製のラナパーという蜜蝋)を塗って保護してあげるとキレイに保つことが出来ます。
お店にバッグを持ち込めば定期的なメンテナンスをお願いすることもできます。
こまめなお手入れに加えて大切なのが、人間の体と同じで「休ませてあげること」なのだそう。
毎日同じものを持てばバッグも当然疲れてしまいます。
お財布は難しいかもしれませんが、バッグは特に、毎日使わず休ませてあげましょう。
保管方法にも注意が必要です。
ビニールや箱に入れてクローゼットに入れて半年もしてしまうとカビが生えてしまうことも珍しくありません。
表面のカビは取れても、繊維に入り込んでしまったカビはなかなか取れないため、予防が必須です。
「Squeeze」は工房ショップのため、修理もお願いできるところが大きなメリットです。
バッグが傷んできたら、革が切れてしまう前に早めに持ち込むと修理がスムーズです。
提携している染め屋さんに依頼して色を染め直すこともできます。
「他社の商品であっても、直るものは全て直したい。」とおっしゃる姿に、ものづくりへの想いが感じられました。
品物の状態を見てみないと修理できるかどうかわからないという面もありますが、予算面も踏まえて提案していただけるので、気になるものがあればぜひ相談してみてくださいね。
「大関鞄工房」まとめ:商品に込められた強い想いが魅力のバッグメーカー
「100人いたら100人の色の組み合わせ、嗜好がある。自分に合ったもの探しを一緒にさせていただけたら嬉しい。」と語る大関様。
「どうしても作りたいバッグがある」という強い想いがある「Squeeze」ファンの方には、特別にフルオーダーメイドの注文を受けられることもあるのだそう。
今新たなチャレンジとして大関鞄工房が取り組まれているのは、ジビエレザーの活用です。
ジビエは元々家畜ではないので、傷だらけで商品化するのは至難の業。
業界としては「使い物にならない」というのが正直なところでも、あえてそこに挑戦して「傷」を「柄」として活かす方法を模索されています。
長年培われた「Squeeze」の知恵と技術から、どんな新商品が搾り出されるのか、いち消費者としてもとても楽しみです。
大関様、お忙しい中貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
\こだわりのバッグをチェックする/