「株式会社ナダヤ」は革製品の製造・販売などを行う大阪の企業です。
パイナップル素材を利用した「ピニャテックス」や、スポーツ素材を利用した商品を製造することで話題になっています。
今回は、「株式会社ナダヤ」の代表取締役社長である灘 瑛一郎さんにインタビューの機会を頂戴しました。
- 1960年 ㈱ナダヤの前身であるマルシン開業
- 1971年 株式会社灘屋設立
- 1986年 株式会社ナダヤに社名変更
- 1990年 海外生産拠点ナダヤタイランド設立
- 2017年 大阪ものづくり優良企業賞を受賞
- 2022年 代表取締役会長 灘 勝一さんが大阪バッグ協同組合 理事長就任
パイナップルから作られる素材「ピニャテックス」の魅力を知ることができるストーリーです。
ぜひご覧ください。
「株式会社ナダヤ」の事業は”がま口財布”から始まった
今では様々な革小物を製造している「株式会社ナダヤ」。
元々はがま口財布を作るメーカーとして事業が始まったとのこと。
「祖父がお財布の卸業を始めたのが始まりでしたが、50年ほど前にメーカーとして製造業を始めたという風に聞いています。当時はクレジットカードなどもない時代だったので、がま口財布を作るところから事業が始まったそうです。」
がま口財布から始まった「株式会社ナダヤ」の歴史。
がま口財布は今も製造を続けており、様々な商品が取り揃えられています。
「3,40年くらい前に、中国製の製品が出初めまして、そうなると海外にも生産拠点がないと価格的に競争ができないと考え、タイに自社工場を作りました。そこでほぼ今の形になったと聞いています。」
1960年の創業から、革小物を作り続けている「株式会社ナダヤ」。
時代の変化に合わせて、生産体制を柔軟に変えてきたのです。
\ がま口財布からスタートしたものづくり /
パイナップルから作られる素材「ピニャテックス」の魅力とは
パイナップルの葉を再利用して作られる「ピニャテックス」
「株式会社ナダヤ」の自社ブランド「PINAMORE -ピニャーレ-」は、この「ピニャテックス」を用いた商品を多く展開しています。
そんな「ピニャテックス」の特徴についてお聞きしました。
「ピニャテックスはパイナップルの葉っぱを再利用して作られるサステナブル素材です。90%以上植物性由来の素材でできています。いわゆるビーガン素材の中でもかなり植物性由来の比率が高い素材です。ピニャテックスに目を付けたのは5年くらい前ですね。『サステナブル』とか『SDGs』が話題になり、大手ファッションブランドが毛皮のファーを使わなくなったり、コーヒーショップでプラスチックストローが使われだしたりした時代です。」
「その時に、何か動物性由来じゃない素材をナダヤからも提案できるようにした方がいいと考えました。それがきっかけでパイナップルの素材を使ったピニャテックスを採用したんです。」
「植物性由来の比率が90%以上ということもあり、和紙のような風合いになっているのが特徴です。レザーに比べるとかなり柔らかく軽いのも良いところですね。さらに汚れに強い素材なので、特別お手入れしていただかなくても大丈夫です。白色のものを使っていても、ほとんど汚れが気になりませんよ。」
ピニャテックスは単なる本革素材の代わりではなく、独特の風合いを持つ素材です。
さらに汚れに強く手入れの手間がかからないことや、柔らかく軽量であるため使い心地にも優れている点など、様々な強みがあります。
「株式会社ナダヤ」では、「ピニャテックス」を用いたお財布やバッグなどを多く取り揃えています。
興味のある方は、HPからその魅力を確かめてみてください。
\ 和紙のような風合いを楽しめる「ピニャテックス」 /
多くの人の心を揺さぶる「株式会社ナダヤ」の人気商品
「もちろん牛革がまだまだメインの素材ですが、ピニャテックスのシリーズは、エコ思考の方にすごく人気が出てきているオススメの商品です。」
植物性由来の素材を90%以上使用して作られる「ピニャテックス」。
独特の風合いや軽さはもちろん、エコロジーな取り組みを大切にする方にも注目される素材です。
「他には、例えば野球のグローブやバスケットのボールなどの、スポーツ用の革素材を使った商品のような、なかなか他のお店では取り扱っていない商品がナダヤにはたくさんありますよ。あとはライセンス商品も展開しています。スヌーピーやハローキティ、エヴァンゲリオンなどが人気ですね。ライセンス商品もナダヤの大きな特徴の一つなので、そういったオリジナル商品を取り扱うことも多いですね。」
「株式会社ナダヤ」は、他のメーカーでは扱うことがあまりない、オリジナリティのある商品を多く生み出しているのです。
思い出の詰まったスポーツやアニメ作品などを扱った商品は、手に取るだけで心を揺さぶられる魅力があります。
「オンラインショップの他に、実店舗で販売されているものもあります。製品によってまちまちですが、例えばスヌーピーのお財布ならショッピングモールの雑貨屋さんに置いていただいてますし、ピニャテックスシリーズは東京のマルイさんなどに置かせていただいてます。」
「株式会社ナダヤ」の商品は、全国の実店舗の他に、オンラインショップでも購入することができます。
興味のある方は、ぜひオンラインショップで商品をチェックしてみてください。
\ 他にはない魅力あふれる商品たち /
「株式会社ナダヤ」が伝えたい”牛革はサステナブルな素材です”
植物性由来の素材を活かした「ピニャテックス」を使った商品を製造する「株式会社ナダヤ」。
そのうえで、牛革は決して環境に悪い素材ではないことを消費者の方々に知ってほしいと語っておられました。
「牛革が環境にやさしくないだとか、動物がかわいそうというのは誤解だということを伝えたいですね。牛のお肉を頂いた副産物として革がありますので、牛革もサステナブルな素材だと思います。ビーガン素材は、そのうえで動物以外の選択肢を求めている方々に対しての選択肢だと思いますね。」
有名なファッションブランドが、環境保護への取り組みから本革を使わなくなることも珍しくないこの時代。
しかし本革は、実はサステナブルな素材だということを語っておられました。
植物性由来の素材を使った「ピニャテックス」を扱う「株式会社ナダヤ」ならではの、説得力のあるお話でした。
スポーツ素材や「ピニャテックス」など、珍しい素材を多く扱う「株式会社ナダヤ」。
そんな取り組みの裏には、革業界への熱い思いがありました。
「関西の革小物業界をリードしていきたいという気持ちがありますね。自分たちが革業界の未来を作っていくんだという思いがあるんです。スポーツの素材やパイナップルの素材もそうですが、ナダヤは革業界の中で新しいことをしているよねって思ってもらえるような製品開発や販売をしています。」
新しい取り組みを通して、革業界をより盛り上げていきたいと語った灘さん。
これからも、お客様を驚かせワクワクさせるような”新しいこと”に挑戦していきます。
\ 「牛革はサステナブルな素材なんです」 /
「株式会社ナダヤ」まとめ:革を愛する人のために商品を届けたい
インタビューの中で、様々なことを語っていただいた灘さん。
最後に今後の展望についてお聞きしました。
「もちろん自分たちで新しい商品をどんどん作っていく、開発していくというのも大事です。ですが業界的に元気がなくなってきているところもあると思うんです。特に”作れる人”が減ってきていているのが今の日本の現状だと思うので、私たちが様々な革小物を作れるようになって、革製品を愛してくれる人たちへ供給できるようになりたいですね。」
灘さんは最近の革業界を見て、少しずつ元気がなくなってきていると感じているそう。
そんな中、革製品を愛してくれる人たちへ商品を届けられるよう、「株式会社ナダヤ」として幅広く商品を作れるようになりたいとのこと。
「お客様からの色々なご要望をメーカーとして承れるよう、自分たちの技術を高めたり、受け皿を広げていく。それが自社だけでなく革業界全体の発展につながると思うので、色々なアイテムを受け入れられるようにするのが今後の展望です。」
「株式会社ナダヤ」には「ピニャテックス」をはじめとする珍しい素材や、誰もが知っているようなキャラクター・アニメなどのライセンス商品を扱っています。
これからも、より多くの人に革の魅力を届けられるよう、活躍の幅を広げていきたいとのことでした。
「株式会社ナダヤ」の新しい取り組みに、これからも注目していきましょう。
\ 革を愛する人のために、幅広いものづくりを /