1948年創業、東京墨田区の「別府鋳工株式会社」。
創業当初から変わらず「砂型鋳造」で鋳物を作り続け、日本のものづくりを支えてきた老舗企業です。
今回は、「別府鋳工株式会社」の3代目の代表取締役である別府 英彦様に、インタビューの機会を頂戴しました。
- 1948年 台東区蔵前にて創業
- 1952年 墨田区に移転
- 1967年 アメリカ向け馬具金具中心に生産(鉄、アルミ、真鍮等)
- 1974年 国内向け袋物金具、バックル等製造(亜鉛、真鍮等)
- 2019年 鋳向屋立ち上げ
- 2020年 おもてなしセレクション受賞・ナスカン特許登録
- 2023年 代表取締役 別府 英彦様 就任
日常使いの小物にも、こだわりを持って選びたい方にぴったりのオリジナルブランド「鋳向屋」をご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
別府鋳工株式会社はどんな会社?
1948年の創業当初は、アメリカ向けに馬具金具を中心に生産していました。
時代の移り変わりとともに、1970年頃からは国内向けのバッグやベルト用の金具の製造へと変わっていったのだそうです。
栃木県に工場を設立し、1981年にはダイカストマシンを導入して、砂型鋳造との併用を開始しました。
2019年には自社ブランド「鋳向屋(いなたや)」を立ち上げ。
長年培ってきた高い技術力を活かし、他社製品にはないオリジナリティの高いものづくりに挑戦されています。
プロダクトデザイナーの山内サチコさんとの協業で、あえて難しそうな企画を作り、職人さんと技を磨いているのだそう。
職人さんに「今までに作ったことがない」と言われるようなデザインが生まれることも珍しくありません。
それらのユニークで実用性の高いアイテムは「おもてなしセレクション」を受賞し、国内外から注目を集めています。
- 住所:〒131-0041 東京都墨田区八広3-3-8
- TEL:03-3619-0333
- Official Website
別府鋳工株式会社はどんなものを作っているの?「鋳向屋」の人気アイテムを紹介
2020年「おもてなしセレクション」に選定された、2点の人気商品をご紹介します。
鋳向屋で一番最初に作られたアイテムである「ロールペーパーハンガー」。
「桜」や「和繋ぎ」といった和の模様の金具と、日本製のラセッテーレザーという異素材を組み合わせたアイデア商品です。
キッチンで使われることを配慮し、金具はクリア塗装を施されています。
皮革には、環境にも人の肌にも優しいラセッテーレザーが用いられ、使う人への思いやりが感じられるアイテムです。
「繋げる小物ハンガー」は、ナスカンというカバン金具の構造を取り入れた実用的でシンプルな美しさが魅力です。
「ポップ」「アンティーク」「シック」の3つのテーマで色や素材のバリエーションが展開されており、色や数をカスタマイズできます。
素材や用途に応じた塗装などできちんと仕上げられているため、基本的にお手入れは不要というお手軽さもありがたいところです。
水に浸けた状態で置いておくと、緑青(りょくしょう)と呼ばれる青サビが付着する場合がありますが、害はありません。
気になる時には、金属磨きの布で磨くとキレイにすることができます。
真鍮製の品物は、少しずつ黒みが増してくるという経年変化も楽しみの一つです。
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別府鋳工株式会社の「砂型鋳造」の工程を紹介
砂型鋳造というのは、砂で鋳造の型を作り、その砂型の中に溶けた金属を流し、冷やし固めて鋳物を作る製造方法です。
職人の手作業なので大量生産はできませんが、高価な金型がいらず、自由度が高いものづくりができるメリットがあります。
昔ながらの製法で、砂型を用いて鋳物を作っている会社は少なくないのだそう。
砂型鋳造で作られるものは、仏像や仏具、大形舶用プロペラ、錫の食器など、大きさも用途も様々です。
別府鋳工株式会社が主に製造しているのは、バッグやベルトに使われる金具です。
小さく繊細なデザインの製品を作るため、目の細かい専用の砂を用いて、一つ一つ丁寧に職人の手で仕上げられていきます。
砂型の砂はリサイクルして繰り返し使われ、金属の材料も、不良になってしまったものは溶かして再生されます。
昔からずっと、環境にやさしい製法で作り続けてこられたのです。
伝統的な製法で、金属を複雑な形状に加工できる鋳造のメリットを活かした製品づくりをされています。
砂型鋳物ならではの「鋳肌」と呼ばれる独自の美しい質感を、ぜひ手にとって感じてみてください。
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別府鋳工株式会社まとめ:「面白いものを作りたい」つくり手の想いを込めて
現代はモノに溢れている時代ですが、お店に並ぶどの商品にも、つくり手の想いが込められています。
「そのつくり手がどんな人なのかということを感じ取ってもらえたら、つくり手としては嬉しい」と語って下さった別府様。
伝統の技術と新しいアイデアで、斬新な挑戦を続ける鋳向屋のアイテムを、ぜひ手に取ってみてくださいね。
お忙しい中貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。
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